空白の時が流れてゆく
あなたは煙草を吸いながら
黙って窓の外を眺めてる
私達、確かに愛し合っていた筈なのに
振り返ったそこには何一つ残っていない
こんなことなら出逢わなければ良かったの?
幸せだった筈の日々さえ無駄になるの?
往生際の悪い思いだけが
心の中で呟いている

空白の時が流れてゆく
あなたは振り向き
何か言いかけてやめる
帰らぬ時はいつか思い出にすりかわって
これからの二人にどんな傷 残すのだろう
失なうことはこんなにも辛いことだったのか
何も考えずに夢ばかりを追いかけてきた
すべてを捨てて選んだ筈のあなたが
今は かりそめの優しさで微笑む

やけに重い抜け殻の体 引きずって
明日から新しい暮らしを始めなければ
いつかあなたを忘れ 誰かと巡り会い
また同じ思いをするくらいなら
愛しい者などもう要らない

空白の時が流れてゆく
あなたは静かに私の泣きやむのを待ってる
私達、出逢った頃は
話すことも聞くこともあれほどあったのに
今では何を話せばいいのかも判らない
その肩にそっと頭を乗せて
本当は甘えたいのに
煙草を吸う苦い横顔を見ない振りして
ただ白い壁を見つめるだけ

空白の時が流れてゆく
あなたは静かに寝息を立て始めてる
精悍なその表情は昔と変わらない
又いつも通り明日が始まる気がする
この胸の痛みを置き去りに
確かに愛した筈のあなたに
最後の口付けをして
この珈琲を飲み終えたら
行くね
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